*大体決まったからこれで決定だ!
SUPER COMIC CITY1日目に参加します。
・5/3(土)有明・ビッグサイト
・東6ホール も-15b アニメFC・巌窟王
・G3Z(画伯との合同サークル)
当日の持ち物
・いぬぞう
巌窟王の既刊と血+の既刊
新刊『SLAVE』A5/32p/18↑(ベネベルベネな感じのパラレル)
お試し読みはずっと↓の方に折り畳んであります。
・画伯
ペパがあるかもしれない…あるよーな気がする;
・委託
ホノメさんちの既刊3冊・全部判事受け・でも一冊は一月インテの新刊だから、
こっちでは初売りだ!これはカバ判事でエロイ!
*この↓にあるのが新刊の試し読みです。
前にペットバトンで妄想したベネデットとベルッチオ様のパラレル。
ベ様がまだ駆け出しの頃にベネデットと少しの間一緒に住むっつー話。
今回はプロローグ的な短編なので今後同じシリーズで何話か続きます。
ザッと地面を蹴る音が鳴った。上体を低くし、蹴った反動を勢いに変える。2メートル弱を飛ぶように縮めた。双眸に映る相手の形が明確になる。男だ。思った通り壁に凭れるようにして踞っていた。がたいはデカイ。衣服を着ていても、肩や腕の厚みや逞しさが判る。間近へ寄ったところで、何故相手が其処に居るのか、どうして動かないのが理解できた。男の周囲に漂う匂いだ。皮膚を切られ、そこから吹き出たモノが発する、ベネデットのごく慣れ親しんだ匂いがした。でも疵を負っていようがいまいが関係ない。反応しないならさせてやるだけだ。石を握った右手が斜め後へスライドする。そこから男の顔面へ目掛け、拳が恐ろしい速さで突き出される。悲鳴の一つくらいは上がるだろう。怯んだ其奴の腹を尖った靴の先で蹴り上げれば完璧だ。そして笑いながらこう言う。
『殺さねぇから、そこ退け。』
言い終わる前に、石を放り出した右の手が男の襟首を掴む。その時には、尻のポケットに忍ばせた刃物を左手が握っている。それを翳して見せる。最後に投げつける台詞はこうだ。
『退かねぇなら、退かせるだけだぜ?』
しゅっと空気を右腕の速さが鳴らした。拳が顔面の硬さへ埋まる感触が来る。慣れないうちは、殴ったお陰で自分の指が曲がったものだ。が、今は何処をどう殴れば良いか体が覚えている。ほお骨の僅か下へぶち込む。ポイントはそれだ。
「わっ!!!」
悲鳴は上がらない。上がらないどころか、宵の空気を震わせたのはベネデットの仰天だった。めり込むはずの拳は寸でで止まる。彼の手首を掴んだ無骨な手が、それ以上の動きを殺したのだ。
「デケェ声出すな。」
潜めた低音がすぐ傍から聞こえる。
「テメェ!そのキッタネェ手を離せ!!」
ギャンギャンと吠える若造。慌てて左手がスラックスに突っ込んだ刃物を捜す。
「喚くな…小僧。」
「っせぇ!誰だテメェ!」
続けて手を離せとベネデットは甲高く言った。
「五月蠅ぇガキだ。」
不意に手首から指が離れる。渾身で逆の方向へ抗っていた体がストンとその場へ落ちた。尻餅を付いた形で、それでもベネデットは攻撃を諦めない。取りだした刃物を突きだし、今にも飛びかかる風に体勢を立て直した。
「巫山戯た野郎だ…。」
青年の声音から耳障りな仰天の響きが消える。ひどく冷めた一言。滲み出るのは残忍な意思。得物を握る右手が引かれる。鳩尾の少し上で固定。このままもう一度飛びかかった瞬間、その切っ先は相手の皮膚へ深く突き刺さるはずだ。
「止めとけ、小僧。」
張り詰めた空気を台無しにしたのは、男の発した一つづりだ。気の抜けた音だ。諌めるでも咎めるでもない。だがベネデットの瞬発力を封じるには充分な間合いと厳かさを含んだ台詞だった。
「黙れよ…。」
タイミングがずれたが、それを瞬時に立て直すのは容易い。再度の攻撃を繰り出す為、ベネデットは軽く息を吸い込みそれを止める。
「俺はお前をどうこうするつもりはねぇ。それにお前じゃあ、俺は刺せねぇ。」
「もっと気の利いた命乞いしろよ、オッサン。」
「命乞いなんざしねぇさ。てめぇじゃ、俺を殺るのは無理だ。」
ははっと息を漏らす笑い。青年は小馬鹿にした笑いを合図に、軽々と跳躍する。狙いは男の胸ぐら。吹き上がる血飛沫を浴びる自身を想像する。なま暖かさと生臭さが自分を濡らす。ゾクリとした快感の予兆が、彼の背へジワリと広がる。
『Slave 1』-やどなし-より抜粋