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その後

アップしたSSの、何が半端なのかをツラツラ考えていて、結局自分が半端なんだよなぁ的に納得しました。精進しなければ…;;

ほんで、あの後のくだらない部下とアリーのやり取りをボンヤリ妄想しました。こんな感じかな?

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After of Bloodstain

 誰も居ないだろうと無造作にドアを開ければ、狭苦しい部屋にもっさりと男が座っていて、しかも何やら小難しい事でも考えているらしく、あまりお目に掛かったことのない、しけたツラだったので、思わず素っ頓狂な声が洩れた。
「居たんすか?」
「居ちゃ悪ぃかよ?」
「いや、例の客んトコだって聞いてたから、戻りは明けてからだと思ってたんで…。」
するとどの単語に反応したのか、ブツブツと不景気な呟きを垂れ始め、兵隊がそこから拾い上げた幾つかは『厄介だ。』とか『ワケが判らねぇ。』等の単語だった。
 ギシリとお粗末な椅子が軋む。背もたれに寄りかかった男が、大きく伸びをした所為なのだが、振り上げた両腕に見慣れない痕があり、兵隊は目聡く見つけたそれへ思い切りつっこみを入れた。
「なんすか?それ…。客んトコで女でも輪姦し(まわし)たんすか?」
「…んな面白ぇ話じゃねぇよ。」
つかつかと近寄り、ムズと腕を掴むと、兵隊はまったく相手の言うことを聞いていないのが丸判りの台詞を吐いた。
「すげぇな…こりゃ。よっぽど無茶な真似したんっすね?爪で皮まで持ってくとか、普通あり得ねぇっすよ。」
間近で見ると、付けられた疵は、周りこそ乾いているが、深く入った部分からは、未だジクジクと紅いモノが染み出している。それが片方に4筋。両腕で8筋も在る。
「トーシロの女っすか?無理矢理口こじ開けて、汚ぇ竿でも押し込んだんじゃないっすか?」
ニヤニヤと面白そうに訊くが、相手からは気の抜けた溜息が洩れるだけで、説明どころか生返事の一つも返らない。
 やれ隊長は加減を知らないとか、高い淫売はプライドが高いから下手うつと金取られて逃げられるとか、好き勝手な想像で捲し立てる兵隊。男が聞き流していたのは、精々三分程度の間で、もう一度萎れた溜息を吐き出すと、取り敢えず声を上げた。
「っせぇんだよ!!黙れ!」
「あれ?図星だったすか?」
「違ぇっつってんだよ。淫売じゃねぇ。トーシロでもねぇ。」
「じゃぁ何です?」
「知らねぇよ…。」
どうでも良い気持ちで口から出たそれへ兵隊がまた食らいつく。適当な立ちんぼを引っかけるから、そんな目に合うのだと、まるでガキに説教でも垂れている風な言い回しだ。
「なぁ…。」
「なんすか?」
「俺がヤラせろっつったら、おまえ…大概ヤラせるよな?」
「今は駄目っすよ。下の連中に足りねぇ弾丸やら爆薬やらを調べさせてるトコなんで…。」
「今じゃねぇ。」
「あと20分くらいしたら、ヤレますぜ。」
「ヤラせろって言ったら、このザマだ。」
片腕を持ち上げ、派手に付いた朱色の帯を示す。
「やっぱ女だったんじゃねぇすか。」
訂正するのも馬鹿らしいと、男はそれを無言で受け流した。
「嫌がってんのを、無理からにヤルから、派手な土産を貰ったんすよ。」
「厄介だ…。」
また同じことを呟く。
 会話をしつつ、そこいらを物色し、壁際のベンチの隙間からクリップボードを拾い上げる兵隊は、ここにそれを探しに来たのが本来の目的であったらしく、手にした途端、部屋から出て行こうとした。男は既に何かを考えることに飽きている。盛大に欠伸をし、椅子に掛けたまま、居眠りでも始めそうな様子だ。
「気まぐれっすからね。女は…金貰うくせに好き勝手言う生き物だ。」
ドアを押し開けながら、完全に勘違いした兵隊が慰めにもならない台詞を男へ投げた。終わったらまた来ると言い残し、閉じるドアの向こう消えた。
「女じゃねぇから、厄介なんだよ…。」
自身へ向けた言い訳めいた物言いで、男はモソリと言い、思いだしたかに、未だチリチリと疼く疵の一筋へ舌を這わせた。


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なんかコッチの話のが面白かった(^_^;)

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