一昨日、画伯から伯爵描いたお〜と見せて貰ったらなんか降ってきたので落書きした。
エロくないす;
割とありがち…_ト ̄|○
でも画伯の伯爵が麗しいよ!それだけ見たらいい!
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目線を落とす男へ静やかな声音がかかる。
「顔を…あげたらどうだ?」
男は口唇を引き結ぶ。腹の底でこれは無礼な振る舞いだと自身を詰った。
「らしく…ないな?」
主人の物言いは決して咎めてはいない。寧ろ、滅多にない反応を気遣っているかの響きだ。
「申し訳…ありません。」
馬鹿の一つ覚えだと、発したそれへベルッチオは腹の底で自嘲する。その場しのぎの謝罪ではないけれど、心底の畏敬とはとても思えない。少なくとも自分が主人ならば、苛立ちを覚えるはずたと音にせずつぶやく。
「ベルッチオ…。」
染み入るかの呼び声。密やかで、柔らかな低音。奥底に甘さを抱く主人のそれは、男の躊躇いをいとも容易く突き崩す。
落ちていた視線があがる。同時に伏せた面が主人へと向いた。
「伯爵…。」
家礼へ投げる眼差しに滲むのは、隠すつもりのない憂いであった。
「お前の進言は尤もな事だ…。あの男の思惑を察していながら、出向くのは確かに愚行だと…私も思う。」
会員制のサロンへの誘い。調査の末にも明かされぬ、集いの全容。しかも差し向ける迎えの車両へ、供も連れず乗り込むのが決まりなどと、訝しく感じぬ方がおかしいと言うものだ。
「しかし、あやつが私をと望のは、気を許した証ではないか?」
ならば、如何なる企てかと怯むより、その懐へ踏み入ってこその大儀である。
「そうは思わんか…?」
「確かに…。」
理解はできる。だが得心には程遠い。苦り切ったいらえを吐き出す家礼へ、伯爵はうっそりと笑みを浮かべこう言った。
「お前は…私の従者ではなかったか?」
虚を突かれ、半瞬遅れてベルッチオは答えた。ポカンとした顔で、真正面から主を見つめる。それから我に返り発する。
「私は、貴方の従僕です。」
もうずっと以前から、そして此の後も変わりなく、彼は伯爵の従者に違いない。噛みしめる言い様が、ベルッチオの深い決意を伺わせる。
それなら何ら問題もない。伯爵は口元を更に緩めた。
「あの男の下靡た策略で私がひどく扱われたなら…、それを宥め癒すのも、お前の勤めであろう…。」
伯爵の意味する『酷い扱い』と、恐らく招待者の意図する『酷さ』には温度差があるはずだ。ベルッチオは伯爵の予測があまり当たっていないことを察している。そしてあの忌々しい男の目論見が、自分の憶測に近いことも感じている。だから無礼を承知で意見を垂れた。誘いに乗るのは得策ではないと…。
だかしかし、決するのは主であり彼ではない。ベルッチオは己のすべき責務を確認し、これ以上の無礼を働くまいと腹を括った。
「ベルッチオ…。」
伯爵が今一度、男を呼ぶ。家礼が厳かに一歩を詰める。主人の直前、間近の距離。そこで恭しく跪き男は言った。
「お戻りをお待ちしております。」
そして差し伸べられた主人の手に、敬愛を込め接吻した。
おわり
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あ、そか!この後に絡み書けばイイんだ!(ピキーン)
ゆうま 2007年07月08日(日)00時44分 編集・削除
伯爵なんかカモがネギ持って鍋に入っていくようで………それを見守るベルッチオが可哀想でした(笑)
やっぱりベルッチオは先にカモを食べてしまった方が良いと思います~。
ああ、でも危機管理能力が低い伯爵が可愛いです。
狗蔵さんちの伯爵は他人の欲に対して読みがすごく甘いのが可愛いです~。
久々にベル伯読めて嬉しかったです~。