劇場版のことね。
私はずっとガンダムって作品を見てきたんだけど、このガンダムって話はMSが出るとか出ないってことじゃなくて、人と人がどう関わるかを描いた作品だと思ってるのですよ。だからダブルオ劇場版はSFアニメかもしんないけど、ぜんぜんガンダムじゃないと感じました。
で、ずっと考えてた劇場版てのがあって、それはやっぱり人と人の関わりがある話だと思ってた。ちゃんしたSSにするつもりで考えてたんじゃないので、色々と粗もあるし穴もあるけど、この機会に書いておきます。
オレの考えた劇場版
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来るべき対話の時ってのは、見たこともない宇宙生命体とのコンタクトだとはぜーんぜん思ってなかった。木星の意味や、イオリアの計画の真意や、その辺りもキッチリと回収されると考えてました。
↓ここからオレの考えたヤツ
発端は130年前の木星探査に始まる。派遣団の一部が木星に残り、木星周辺を拠点に調査を続ける。残留者はそれぞれの事情で、帰還を行わなかった。そこには科学者の意地もあったろうし、帰りたくとも帰れない理由のもとに居残りを決めざる得なかった者もいた。
木星は決して人間の居住に適していない。その地で生き延びることが、彼らの先決であったのは言うまでもなかった。
生物の順応と適応は素晴らしい能力である。何代もの世代を交代しつつ、残留者は過酷な状況でも不自由なく暮らせる進化を遂げ、同時に居住空間を確保する術も手に入れる。その地で生きるための科学力、そして技術力が彼らの生命を次ぎへと伝えた。
木星探査より遡ること70余年。一人の物理学者が外宇宙における人類の革新的進化を予見する。増え続ける人口から、それほど遠くない未来に、人類は宇宙へと踏み出すことを確信し、無音の空間で人は音声言語を捨て思念波によるコミュニケーションを確立するであろうと仮定する。仮定はその後さまざまな理論の構築を経て、確証に近い結論となる。物理学者は、それを壮大な計画として後世に伝えることを決する。
イオリア・シュヘンベルグはモニタの中で語る。『人類の未来に訪れるであろう、来るべき対話の時の為に、人を導く存在を伝えよう。』来るべき未来に人類が遭遇する者とは、異星からの侵略者ではない。グロテスクな造形の近未来寓話に登場する異星人とも違う。人が出会うであろうそれは、嘗て外宇宙へと開拓の道を開こうとして、地上とは別の進化を遂げた人類なのである。
人類は未だ地上で明日を模索している。多種の価値観、多種の言語、多種の信仰。それらを包括しえぬまま、和平の手段を探し続けていた。武力による統一を疑問視しながらも、それを一掃するだけの決定打を人を有していない。そんな混迷の中、忽然と現れる未知の船影に人々は驚嘆した。驚きが恐れに変わるのは瞬く間のことだ。通信にも返答を寄越さないその船に、人類は混乱の坩堝に落ちる。
人の中に生まれた新種、イノベイターに変化が起こった。外宇宙船から放たれる思念波に彼らは翻弄される。ある者は苦痛を覚え、またある者は理由の分からぬ恐怖にとらわれる。それは人類初のイノベイターとして覚醒した刹那にしても同様であった。彼は攻撃だと断言する。外敵からの攻撃を口にし、彼を含むガンダムマイスターは敵船への反撃に発進する。
イオリアの推論が現実となった。人は新たな生命体との遭遇を果たす。だが彼の理論には一つだけ誤りがあった。思念波には数多の波形が存在する。人がいくつもの言語を持つように、互いの思念を波形にのせたとして、必ずしも理解が可能ではないのだと、200年前の物理学者は知るよしもなかった。
無用の戦火が上がる。圧倒的な攻撃力の前に、外宇宙からの先遣隊を乗せた船は間もなく落ちた。撃沈する船内から、後方に控える船団へ向け、通信が送られた。
『コンタクトが取れない。彼らは前触れもなく攻撃を開始した。』
同胞よりの通信を受けた一人が呟く。
『対話は不可能なのか…。』
地上の人類から寄越されたのは武力による返答だ。
『戦いは避けられない。』
彼らは戦闘を決した。
新キャラの人はこの帰還船団のパイロットか何かかと思ってたの。本当なら始まる筈のない戦闘が開始され、ギリギリのバトルの中で、あの新キャラの人と刹那の脳量子波がリンクするんじゃないかなぁ~と想像してました。ラストは漸く対話の糸口を見つけた双方が、戦場で拙い会話を始めるトコで終わるのとか良いよね?なんて思ってたんだけどね。(笑)
まさかテレビの伏線やら何やらが全部無かったことにされるとはイオリアだって想像してなかったんじゃないかな?